「みをつくし料理帖」
病院の待ち時間に読むのに、
「八朔の雪 みをつくし料理帖」
高田 郁・著 時代小説文庫(ハルキ文庫)・刊
を持って行った。
この作品は現在、オフィスユー誌上で、
岡田理知の作画で連載されている。
通常の時代物の漫画と少し違った持ち味に惹かれて、
本屋で原作本を手に取ってみた。
「料理」や「商い」といったものをテーマにした作品は多いが、
全体に流れる、ほのぼのとした空気が気に入って、
続編の「花散らしの雨」と一緒に買ってしまった。
まだ1冊目の途中までしか読んでいないのだが、
澪を取り巻く人々の人情や、
澪が工夫を重ねて作り出した料理の数々に、
江戸の市井(しせい)の人々を温かく見つめる目線を感じて、
自然と気持ちが穏やかになる。
とりわけ私が気に入っているのが、
澪と芳(ご寮さん)の会話や、
澪の思い出話に登場する、上方言葉。
この作品のテーマが、
「江戸と上方の違い」という壁にぶつかった澪が、
どのようにしてそれを乗り越え、料理人としてはばたくか
というものなので、
上方言葉が登場するのは必然とも言えるのだが、
それが全体にしっくり馴染んでいて、
この作品の味わいを、さらに深めているように思う。
「大阪(この作品の時代は大坂)の言葉を、
うまいこと書かはる作家さんは、やっぱりええなぁ」
と、しみじみ思ってしまう。
急いで先を読みたい気もするが、
おいしい料理を味わうように、大事に大事に読んでいる![]()
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